❄︎揺れる想い✿

イベントで干された。

それまでは大体のイベントごとの時には着けていたし、酷い時はライブ中にも着けていたのに。イベントで干すとか、ありえなかったのに。

……いや、その前にも半分干されたことはあるんだけど。気付いたら着いてたからちょろい私は許してしまった。

でも、イベントで完全に干された。その事実が、意外と地味な痛みとなった。他のメンバーは友達のを着けているのに、私は干されたんだ、そんな嫉妬で黒い感情が渦巻いた。

その日は、自分の中で結論を付けた。『今回は数カ所を転々と回る、流石に失くしかねないから家で留守番してるんだ』そう思えば、幾分か楽になった。黒い気持ちも穏やかな波に消えたと思う。

 

でもその最終日、またイベントがあって。私は行けていないから、やっぱり終わった後のみんなのツイートを見るしかなくて。…………着けてるんだよな、なんでかわからないけど。持ってるじゃん。持ってってるじゃん。着けてるじゃん。そうやって、私の結論なんて簡単に壊して。やっぱり肌身離さずなんだ、そんなこと思わせて。ねえなんでそういうことするのさ。

私のこと浮かれさせて楽しい?私のこと振り回して楽しい?………私は、着いているか着いていないかを一番に確認するくらいには、それに救われて、それに堕とされているのに。

 

そんなことも知らない貴方は、そうやって私のことを揺らすんだ。もう、わざと振り落とされてしまいたいくらいなのに。そうしたら、死に物狂いで私のことを助ければいいのに。

そんな自分勝手な願いを秘めながら。